重さを計測する時は、重い物でも軽い物でも正確に測定したいものです。おもりを使用する計量器を校正することは、校正しない測定器と何が違うのでしょうか。大きな違いは、JCSS校正はトレーサビリティの証明を簡単に行うことができるということです。トレーサビリティがはっきりしていると、社内標準の計測器として使用しやすくなります。トレーサビリティが証明されていないと、たくさんの書類を必要とすることが多くなります。JCSS校正はたくさんの書類は不要です。計量器はどの程度の不正確さがあるのか分かっていることが大切です。不正確さがはっきりしている方が、品質管理には重要です。JCSS校正証明書は国際規格の基準を満たしている会社で発行するため、国際基準を満たしているとも言えます。このことは輸出製品のトレーサビリティの証明が有効になるということです。
自動的に校正をおこなってくれる計測器は便利
校正は感度チェックとも呼ばれます。おもりを用いない電子天秤のうち、校正分銅内蔵型という電子天秤は、簡単に感度チェックができます。感度に影響を与えるのは室温が関係しています。この室温の変化を捉え、自動的に内部分銅が校正を開始するわけです。校正を自動で行うと、測定者は安心して測定作業に専念できます。自動校正はこの校正分銅内蔵型だけではなく、他にタイマーCALと呼ばれるものや、ワンボタン校正、ワンレバー校正と呼ばれるものがあります。タイマーCALは測定作業前に予め校正時刻を設定します。そうすると自動的に測定器が校正を行ないます。ワンボタンとワンレバーは分銅内蔵型ですが、キー操作とレバー等の操作が必要です。何れも自動的に校正は行われるので、測定者にとっては便利な校正方法です。特にタイマーCALは毎日同じ時間に校正でき、測定前に計測器を整えることができます。
測定器は日常点検と定期点検で基準値以内の確認を
校正を自動で行っていると言っても、日常的な点検と定期点検は必要です。日常点検と定期点検の違いは、定期点検ではより詳しい点検を行います。日常点検の項目はおもりを乗せる皿に異常がないか、割れている個所や汚れの付着を点検することが大切です。表示値が基準と違う場合は、再調整するか修理に出すことを考えましょう。定期点検はさらに直線性などの点検を行ないます。期間は1年か2年に1回程度で十分です。外部に依頼することができ、JCSS分銅を使って点検や校正を行ないます。トーサビリティの証明ができ、不確かさの算出ができる点検です。国際的に展開している企業では、国際規格に対応した計測器が必要とされるので、その基準を満たした計測器を使用し、メリットを活かしつつ生産高利率の向上や品質保持を心がけましょう。